【アート】杉本博司 瑠璃の浄土@京都市京セラ美術館

京都
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先日、リニューアルした京都市京セラ美術館へ行ってきました。新型コロナの影響を受けてオープンが遅れていましたが、5月末にようやく開館しました。まだ影響は残っており、事前予約をしていく必要があります。

今回のリニューアルをしたのは、建築家の青木淳氏と西澤徹夫氏です。青木氏は青森県美術館やルイヴィトン名古屋店などを手掛けています。

既存の建物を活かしてを改修をしています。

まず、大きく変わったのはエントランスです。地下になっており、スロープで降りていくとエントランスに導かれます。入り口の左右には、ミュージアムショップとカフェが配置されています。

ガラスリボンとエントランスへのスロープ

旧大陳列室は、大ホールへ変更されています。

大ホール

美しい螺旋階段が設置されています。

中央ホールの螺旋階段

建物も見所がたくさんあります。これまで非公開だった貴賓室も見られるようになっています。

格天井にステンドグラス

「杉本博司 瑠璃の浄土」

2020年3月21日、86年の長きにわたり市民の皆様に愛されてきた京都市美術館が、京都市京セラ美術館としてリニューアルオープンします。美術館の再生を記念し、新たにオープンする新館「東山キューブ」では、開館記念展として、国際的に活躍する現代美術作家で京都とも縁の深い杉本博司の個展「杉本博司 瑠璃の浄土」を開催します。本博司は、1970年代より、大型カメラを用いた高度な技術と独自のコンセプトによる写真作品を制作し、世界的に高い評価を受けてきました。また、古今東西の古美術や歴史資料等の蒐集や建築、舞台演出といった幅広い活動を行い、時間の概念や人間の知覚、意識の起源に関する問いを探求し続けています。これまで幾度となく京都を訪れ、その長い歴史から思索を誘発されてきた杉本は、当地で撮影を行い、作品も生み出してきました。今回、かつて6つの大寺院が存在していた京都・岡崎の地に立つ京都市京セラ美術館の再生にあたり、現代における人々の魂が向かう場所としての浄土の観想や、今、果たされるべき再生とは、といった問いから、「瑠璃の浄土」のタイトルのもと、仮想の寺院の荘厳を構想します。杉本の京都での美術館における初の本格的な企画となる本展では、新たに制作された京都蓮華王院本堂(通称、三十三間堂)中尊の大判写真を含む「仏の海」や、世界初公開となる大判カラー作品「OPTICKS」シリーズといった写真作品の大規模な展示を試みます。

京都市京セラ美術館

世界各地の海を同じ構図で撮り続ける「海景」シリーズ。

海景

OPTICKSシリーズは、なんとも言えない美しさがあります。

ニュートンによるプリズム実験の再現を始めてから今年で15年になる。毎年冬になると日の出の位置がプリズムの正面に近づいてくる。冬の冷気を通過してくる光は分光され、薄闇の観測室に導かれ、白漆喰の壁に拡大されて投影される。私はその色の階調の奥深さに圧倒される。光の粒子が見えるような気さえするのだ。そしてその一粒一粒の粒子が微妙に違う色を映している。赤から黄、黄から緑、そして緑から青へと無限の階調を含んで刻々と変化していく。私は色に包まれる。特に色が闇に溶け込む時、その階調は神秘へと溶け込んでいくようだ。私はポラロイドの小さな画面の中にもその微細な粒子が閉じ込められているであろうことに気がついた。数年にわたる実験の結果、私自身が色の中に溶け込むことができるような十分な大きさを持った色画を作ることに成功した。私は光を絵の具として使った新しい絵(ペインティング)を描くことができたように思える。

杉本博司
OPTICKS

光学硝子五重塔。水球の中に日本海の海景が納められています。

光学硝子五輪塔 日本海

庭園には、千利休による茶室「待庵」に影響を受けて作ったと言われる硝子の茶室聞鳥庵(モンドリアン)

硝子の茶室 聞鳥庵

他には、三十三間堂の千体仏を写した「仏の海」もあり見応えたっぷりでした。

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