いよいよ3日目、最終日です。テラスレストランで朝食をいただき、バスに乗って本村港へ向かいます。
まずは、予約していたベネッセハウス宿泊者限定の「朝の家プロジェクトツアー」に参加します。(事前申込が必要)
このツアーでは7つ家プロジェクトのうち「角屋」「護王神社」「南寺」の3つを巡ることとなっています。ガイドさんより4つ目の候補が提示され「石橋」を選択しました。
家プロジェクト
家プロジェクトは直島・本村地区において展開するアートプロジェクトです。「角屋」(1998年)に始まったこのプロジェクトは、現在、「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開されています。点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものをアーティストが作品化しています。地域に点在する作品は、現在も生活が営まれている本村を散策しながら鑑賞することになります。その過程では、場所の持つ時間の重なりやそこに暮らす人々の営みを感じることでしょう。生活圏の中で繰り広げられる来島者と住民との出会いにより、さまざまなエピソードを生み出しているのもこのプロジェクトの特徴です。都市と地方、若者とお年寄り、住む人と訪れる人とが交流していく中で生まれる新たなコミュニティの在り方を提起する契機になったこの有機的な取り組みは、日々変化しながら進化を続けています。
ベネッセ直島アートサイト
1つめは「角屋」家プロジェクトの第1弾の作品。200年ほど前の家屋を改修し、宮島達男の作品を展示しています。
うまく写っていませんが、水面に浮かんで見えているのはデジタルカウンターと言われるもので、0から9までの数字が表示されています。カウントのタイミングは島民の方にそれぞれ設定してもらい、完成させたそうです。そのような経緯もあって、島民の方にとっても思い入れのある作品になっているようです。
また、作品に合わせて床の高さを本来の位置よりも低く設定しているとこと。
次に案内されたのは「護王神社」杉本博司が改築を担当しています。ガイドさんからは、改築の際の裏話などいろいろ教えて下さいました。
敷き詰められている砂利も大きなものに入れ替えられています。
写真ではうまく撮れていませんが、石室から瀬戸内海を望むと、あの海景シリーズと同じ構図が見えてきます。
社殿一式は、福武總一郎の寄附となっています。
続いて「南寺」へ。ここは撮影禁止なので写真はありませんが、安藤忠雄の建物にジェームスタレルの「Backside of the Moon」という作品が展示されています。言葉にすることは難しいので、ぜひ体験してもらえると良いと思います。
また、建物を建てた安藤忠雄は負けず嫌いで、宮島達男の「角屋」を見て俺も作品を作りたいと言って作ることになったのだとガイドさんが話してくれました。
最後は「石橋」へ。立派な元個人宅を改修した建物には、千住博が瀬戸内海をイメージして作成した「空の庭」という作品が展示されています。
銀泥を顔料として使用しており、白っぽい部分は徐々に黒く変わっていきます。それにより時間の経過を表現しているとのことです。次訪れる際には、また違った絵が見られそうです。
これにてツアーは終了に。担当していただいたガイドさんが、色々な解説や小話をしてくれるのでより作品を理解することが出来ました。
またバスに乗り、2022年3月から公開されたヴァレーギャラリーへ向かいます。安藤忠雄の建築に草間彌生のミラーボールが配置されています。
続いて李禹煥美術館へ向かいます。建築だけでなく、周囲の木々やそこから見える風景全てが一つの作品となって感じられます。
少し駆け足になってしまいましたが、見たい箇所は一通り回れました。
それでは、本州へ戻るためバスに乗って宮浦港へ向かいます。フェリーの切符を購入し、出発時間まで港周辺の作品を見て回ります。
まずは、大竹伸朗の手掛けた直島銭湯「I♥︎湯」へ。アート作品でありながら実際に入浴が可能となっています。見学可能な時間帯には、男湯も女湯も見ることが出来ます。運営はNPO法人の観光協会が行なっています。
最後に藤本壮介の直島パビリオンを見てフェリーに乗りました。どの港でもフェリーの出航の際には島民の方が手を振ってくださり、温かい気持ちになりました。
これにて2泊3日の旅行はこれにて終了。念願の瀬戸内国際芸術祭とベネッセハウスに宿泊することが出来ました。
初日にはフェリーの欠航などのトラブルもありましたが、それ以外はスムーズに無駄なく回れたと思います。作品だけでなく、島の歴史なども知ることが出来ました。
次の瀬戸内国際芸術祭は3年後になりますが、他の島を巡ってみたいと思います。
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